約二か月ぶりの更新です。
とある資格試験のために集中して勉強していましたが、ひと段落したので更新を再開します。
投稿はしていませんでしたが、youtubeの怪談系チャンネルを聞き流しながら勉強していました。(笑)
今回は、私自身の体験というわけではないですが、ひとつ思い出した話があるので記録のためにここに残そうと思います。
あるホームページについて
私が高校生のときの話です。これを言うと年齢が絞られてしまいますが、当時はガラケーの全盛期。
モバゲーが流行し、休み時間に友人と集まって「怪盗ロワイヤル」をプレイするのがお決まりでした。
そんななか、当時から怖い話が好きだった私は、その合間に怖い話のサイトで怖い話を読み漁るのが日課でした。
そのサイトの名前は「奇妙~kimyo~」だったと記憶しています。
かなり活発なサイトで、毎日何本もの投稿怪談がアップされ、中には連続シリーズの長編ものもあるといった感じで毎日楽しんでいました。
一般投稿なので、なかには文章が破綻していて読みにくかったり、明らかに創作だろ!というような異次元バトルのようなものもありましたが、それも含めて楽しく読ませていただいていました。
ふとこのサイトのことを思い出し、ガラケーのサイトだったのでどうかな、と思いながら検索しましたが、やはりというか、すでにこのサイトはなくなっていました。
膨大な数の投稿怪談がネットの海に消えてしまったと思うと、残念でなりません。
もしこのサイトのアーカイブデータをお持ちの方がいらっしゃったら、ご連絡いただけますと幸いでございます。
このサイトの中で興味深かった話を投稿します。丸々書いて何かしら問題になっても困りますので、脚色を加えたフィクションとしてお読みいただければ。
幽体離脱のゆくえ
「奇妙~kimyo~」では誰でも投稿できるという性質上、ヒットした作品が現れるとしばらく類似作品が現れ続けるー流行するーということがよくありました。
そんな流行のひとつに、「幽体離脱(明晰夢)」というものがありました。
幽体離脱は知っている人も多いと思います。魂が体を抜け出すことです。
明晰夢は知らない人もいるかもしれません。明晰夢とは、夢の中で「これは夢である」とはっきり自覚し、その夢の中で自由に動き回ることができる夢のことを言います。
幽体離脱と明晰夢は違うものですが、ここでは同一あるいは近しいものとして扱います。
ある日怪談で、幽体離脱をする方法として以下の方法が投稿されました。
1.夜、暗い部屋でベッドに横になる。そのとき、かけ布団を体にかけない。重みを感じない程度のブランケット等なら可。
2.仰向けに横になり、全身の力を抜く。両手足を体にくっつかないように隙間をあけ、熱が溜まらないようにする。
3.目をつむり、ゆっくり呼吸を繰り返します。寝ている自分の真上に、鏡写しのように自分と同じ姿勢で浮かぶ人型を想像します。
4.自分の呼吸に合わせて、心臓の位置から一番遠いところからゆっくりとエネルギーが心臓のほうに集まるイメージをしながら呼吸を繰り返します。徐々に手足の先から冷たくなり、体の中心へと熱が集まっていくイメージです。
5.体の中心から目の前の人型の中心に紐がつながっているイメージを作り、中心に集まったエネルギーを紐を通じて人型に移していきます。
6.これを毎夜繰り返し、十分にイメージが固まった時に自分の目線を人型に移せるようになります。人型の目を通じて寝ている自分が見えたら、自由に動き回れるようになっています。
うろ覚えですが、このような方法でした。幽体離脱として紹介されていましたが、明晰夢の方法じゃないのかなーとも思います。
具体的な方法が書かれており、さらには何だか妙な説得力があったからか一時期そのサイトでやってみた報告や実際に幽体離脱に成功したという人が続出しました。
私も当時やってみましたが残念ながら幽体離脱はできず・・・。
できたという報告を、うらやましく見ていたことを覚えています。
そんな投稿の数々のなかで、いくつか共通する体験をした人が現れます。ぜひ、想像しながらここからの文章をお読みください。
曰く、「幽体離脱に成功し、何度かは自由に動き回り、好き勝手なことをして楽しんでいた。何度目かのある日、いつも通り幽体離脱をして自分が寝ている姿を宙に浮かびながら見ていた。そこから目線を上げると、寝ている自分のそばに白い服を着た人が立っており、その人物が寝ている自分をじっと見つめていた。怖くなり、すぐに目を覚まして周囲を見たが誰もいなかった。」
こんなような投稿がいくつか見られるようになりました。先にも記述しましたが、パクリが頻発することがよくありましたのですべてが本当かは分かりません。
その投稿をしたなかの一人が後日投稿した話が妙に記憶に残っています。
「白い服の人をみてしばらくたった日、少し怖さが薄れたので再び幽体離脱を実践しました。よく考えたら自分の好きなようにできるはずだから、見えた人物も自分の恐怖心が生み出したものだと思ったんです。
ゆっくり呼吸し、イメージを十分にしていくとやがて寝ている自分が見えました。恐る恐る目線を上げると、前回と同じ位置に白い服の人が見えました。前回と違うことがひとつありました。その人物は寝ている自分でなく、こちらをじっと見つめているのです。(消えろ、消えろ)と何度も頭の中で唱えましたが、消えませんでした。それどころかこちらに手を伸ばし、迫ってきたのです。手が触れる直前で目を覚ますことができました。
あんな男、私は知りません。もう二度と幽体離脱はしません。」
みなさん、白い服の人と聞いて男女どちらでイメージしましたか?私は女性のイメージで読み進めていました。
白い服の人を見た!と言っていた投稿者たちは、皆同様に「男だった」そうです。
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