覚書 投稿怪談 ともだち人形

気付けばもう年も明け2025年、オカルト界隈では大きな災いが起こるのではないかと言われる年となりました。

私は関西在住なのですが、いよいよ大地震がくるのではないかと戦々恐々としています・・・。

さて今回は、ご投稿いただいた怪談を記していきます。いただいた話を私の言葉に少しアレンジしてお送りいたします。

スポンサーリンク

ともだち人形

これは投稿者の女性ご自身の体験談です。

彼女には、昔から大事にしている人形があります。

西洋人形の一種なのでしょうが少し変わった人形で、顔や手足は陶器かプラスチックといった硬質の素材でできているのですが、体は布と綿でできています。立たせることはできませんが、バランスよく座らせることができます。

「メアリー」と名付けられたこの人形は、約30年前、投稿者が修学旅行で行った某遊園地のお土産屋で売られていたものでした。

その遊園地のマスコットというわけでもなく、ただ売られていたその人形を一目見たとき、なぜだか妙に惹かれるものがあり、決して安くはありませんでしたがお土産用のお小遣いを使って購入しました。

メアリーは、投稿者のよき友人でした。いつでも彼女の部屋で彼女を見守り、生活の愚痴をメアリーに吐き出すこともしばしば。

大人になり一人暮らしが始まっても、独り暮らしの家に連れていくほどでした。

ちょうどその一人暮らしが始まったころから、不思議な事がおこるようになります。

テレビ台の横に3段ほどのカラーボックスを置き、その上にメアリーを置いていたそうなのですが、仕事から帰ってくると向きが変わっていたり、倒れたりしているのです。

不思議と怖いという感情は浮かびませんでした。投稿者自身霊感があるとかではないのですが、メアリーをただの人形ではなく、「個性を持った、そういうもの」であるとなぜかすんなり受け入れている自分がいました。

そんな生活の中、とある出来事が起こります。職場に新たにやってきた上司に、嫌がらせを受けるようになったのです。

すれ違いざまに嫌味を言われたり、人より多く仕事を振られ、できないと大勢の前で注意されるなどの小さな嫌がらせでしたが、積り積もったストレスは徐々に投稿者の体調を蝕んでいきました。

これまで嫌がらせをされるたびにメアリーに愚痴を言ってきましたが、ついに体調を崩し仕事を休んでしまいます。勝ち誇ったように笑う上司を夢想しながら、メアリーに向かってつぶやきます。

「悔しい、悔しい、見返したい」

翌日にはなんとか復帰しましたが、上司の嫌がらせは続きました。しかし体調を崩して数日後、事態は急変します。

なんと上司が謎の高熱でダウンし、長期の休みになったのです。久しぶりに充実した環境でのびのびと仕事ができました。その後復帰した上司は、これまでより肌が青黒く、見るからに体調が悪そうです。これまでが嘘のように嫌がらせは無くなり、文字通り人が変わったようにぼそぼそと喋る、不健康そうな人物になっていました。

そう間を置かず、その上司は辞めてしまいました。

あまりにタイミングよく上司に変化が起こったため、投稿者はメアリーが何かしたのではと考えています。

因果関係は分かりませんが、上司が高熱で休んでいるころ、掃除で持ち上げたメアリーの背中部分が、煤けたように黒く変色していました。

投稿者がこの話と共にメアリーの写真画像を見せるとき、人によっては見られているような、嫌な感覚を覚えるそうです。

カノジョは、今でも、良きともだちです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました