TXQ FICTION イシナガキクエを探しています(4) レビュー

今回は、TXQ FICTION イシナガキクエを探しています(4)のレビューです。

 

やられました。これまで地上波放送の内容を補完するようなショートの映像がTVerで公開されたのは見たことがありますが、まさか丸々1本の最終回をTVerで出してくるとは・・・。

ここまでのストーリーの考察の、道しるべになるような内容です。

それでは、行ってみましょう。

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米原さん

(3)で出てきた新情報により、米原さんは2024年2月10日、全身が焼け焦げた状態で発見されたことがわかりました。警察は状況から自殺と判断します。

「絶対に探して、いたら絶対に会いに行く。それぐらいしても会いたいんだよ」

そういっていた米原さんは、本当に自殺だったのでしょうか。

米原さんの遺志を継ぎ、イシナガキクエさんを探す番組が制作されます。

特別公開捜査番組 イシナガキクエを探しています

イシナガキクエさんの目撃情報が8000件も寄せられます。

(この目撃情報、実際に放送中にかかってきた電話で寄せられたものだそうです!)

(3)で公開された、匿名で番組に寄せられたVHSの映像では、若き日の米原さんはこう言っていました。

「キクエはもうこの世にいないってことを、皆さんに確認してほしくて」

イシナガキクエさんがすでに亡くなっていることが判明したため、公開捜査は終了、(3)では安藤アナウンサーのみで、情報提供の呼びかけは行わないこととなりました。

広いスタジオに安藤アナひとりという、異様な状況はこうして生まれたのです。

霊能力者 稲垣乙

米原さんが懇意にしていた霊能力者、稲垣乙さん。

(3)では、留守番電話の録音メッセージにより米原さんが乙さんに依頼していた内容がわかりました。

「一体見つけましたので、処置のほうお願いいたします。代理人はこちらで用意いたします」

5月17日の(3)放送後、稲垣さん(乙さんの孫)からビデオテープと8mmテープが届きます。

自宅から発見されたというその映像は、核心に迫るものでした。

テープ内の映像

いくつかの映像の抜粋です。

① 男3人がかりで、山の中なにかを運んでいます。その中には若き日の米原さんもいます。乙さんがそのあとに続いていきます。

やがてある地点で止まり、何かを地面に下ろします。それは白い布にくるまれた人に見えます。

人型のものの上には女性の遺影のようなものが置かれており、顔はぼやけて見えず、顔の位置に「15」と数字が書かれています。乙さんは数珠を持ち、その何かに向け祈りをささげています。

そのそばでは、人型を埋めるためなのか、男たちが穴を掘っていました。

② 映像が乱れていますが、どうやらビニールシートの上に女性が横たわっているようです。女性は目を閉じ、ピクリとも動きません。

男たちが女性を囲み、白い布でその体を包もうとしているようです。そばには先の映像であったような遺影が置かれており、そこには「19」と書かれています。

作業を監督するように、米原さんが近くでその様子を見つめていました。

③ 白い布で包まれた人型のものが映ります。ここまでの情報から、これは人間の遺体ではないかと推察されます。

その遺体の上には女性の遺影。顔には「26」と書かれています。

穴を掘る男たち。その様子を見つめる米原さん。数珠を持ち、祈りをささげる乙さん。

④ どこかの倉庫のようなところで、一人の人間の複数の男で拘束しています。乙さんがすぐそばでその様子を見ています。一度びくりと拘束されている足が動きます。食いしばるような、力を込めるような男のうめき声。

殺害の瞬間のように見えます。

⑤ 遺体を白い布で包み、紐で縛っています。布には何か、呪文のようなものが書かれているようです。

顔に当たる部分には、(1)で米原さんが持っていたアルバムの、変わった写真の配置を彷彿とさせる模様が描かれています。上に置かれた遺影には、「33」と書かれていました。

「代理人」とは、この遺体のことを指すものと思われます。

(2)でYoutuberキラフが発見した写真にも、同じく番号が書かれていました。

キラフの映像内で映された「26」の写真と、③の映像内の遺影は同一の写真のように見えます。

また、同じく(2)で公開された、池の中の映像の遺影に書かれていた「17」の番号。

同じ番号の遺影が上に置かれた遺体を池に運ぶ映像もありました。

その池は米原さんの家から約15kmのところにあり、キラフが写真を発見した空き家は米原さんの家から約3kmのところにあるとわかりました。

番組スタッフが空き家を訪れます。

空き家にあったもの

スタッフは空き家に立ち入り、キラフが発見した写真を探します。

しかし、写真が入っていたはずの棚は空っぽになっていました。

キラフの映像を公開するにあたり、許可取りのために登記簿を取得したスタッフですが、そこで空き家の所有者が米原さんであったことを知ります。

空き家の書斎に残されていた本は「霊界物語」「新霊交思想の研究」「透視 霊能秘傳(ひでん)書」など、心霊にまつわる書籍ばかりでした。

キラフが発見した写真の、番号が振られていない写真には、目隠し・拘束された女性の口からエクトプラズムを吐き出す姿が映っていました。

キラフの映像を再度確認すると、番号が書かれた写真に写る女性は全てぼやけてはっきりとしない姿である一方、番号が振られていない写真は同じ女性の姿がはっきりと映っており、そのどれもが目隠し・拘束で口からエクトプラズムを吐き出している姿でした。

この女性がイシナガキクエさんなのかもしれません。

乙さんの遺品(手紙)

乙さんの遺品から、米原さんからの手紙が発見されます。

内容の大部分がモザイク処理をされ読むことができませんが、そこには、

「追伸。      をご存じでしょうか?稲垣様がもし無理であれば今回はそちらに処理を頼もうと思っていますが、信用できるか分かりません。」

「稲垣様の見解をお聞きしたいです。」

と書かれていました。

米原さんが死亡したその日、付近でカメラを回していた人物がいました。Youtuber のキラフです。

その映像には、遠くで真っ赤に燃える何かの姿が収められていました。

お札の離れ

空き家を探索していたスタッフですが、離れの一室を発見します。

ドアは閉ざされており、内側にはびっしりとお札が貼られています。

(お札は向いている方向からの侵入を防ぐと言います。内向きに貼られているということは、そこから出したくない何かがあるということです。)

窓が開いており、そこから侵入するスタッフ。

中はがらんとしており、お札が貼られ割れた骨壺のようのものと、そこからこぼれた灰がありました。

お札には馬のようなものが描かれています。

灰の中に折りたたまれた紙を見つけるスタッフ。それは写真でした。

鏡を使った自撮り写真。米原さんと女性が寄り添い、微笑みあう姿が収められていました。

まとめ

ラストシーンは感動が押し寄せ、なぜか泣きそうになりました。

鏡を使ってのカップルの自撮りは、日本最古のカップル自撮り写真のオマージュでしょうか。

これです。

考察ですが、米原さんとイシナガキクエさんは恋仲で、共に心霊実験に傾倒していたのではないでしょうか。

そのなかでイシナガキクエさんが死亡(霊体化)。(これが番号の振られていない写真の姿です。)

何らかの影響により、魂が分散してしまいます。

その後イシナガキクエさんの姿を追い求め、カメラに収めたうえでそれを処置していました。

(その昔、写真を撮られると魂を吸い取られると信じられていました。)

目撃情報→写真に収める→代理人を用意し、乙さんに儀式を依頼

これを繰り返し、イシナガキクエさんの散り散りになった魂をひとつにする、あるいは成仏させることが目的だったのではないでしょうか。

代理人を用意する過程で何人もの人物を殺害していたと思われます。

最後には米原さんは自殺をしたとされていますが、誰かに恨まれていてもおかしくありません。

「代理人」にするために殺害した人物の関係者に復讐され、さらに部屋を物色されていたとすれば、(1)で公開された米原さんの死後、米原さんの家のなかを動く人影にも説明がつきます。

いやー、それにしても本当にすごいものを見ました。

地上波を使って、一つの新しい怪異が作り上げられていく、壮大な思考実験を見ているようでした。

口裂け女はたくさんの小学生に語られることにより、その姿、弱点、過去までも作り上げられていきました。

イシナガキクエも同様に、様々な人が目撃情報を寄せています。(8000件も!!)

もちろん冷やかしや創作もあるでしょうが、そのなかに一つでも、二つでも実際に目撃したという人の話があったとしたら・・・。

これはもはや、「存在する」怪異と呼べるのではないでしょうか。

口裂け女、人面犬、八尺様などのように。

TXQ FICTIONはシリーズとして続いていくという情報もあります。

次回作も非常に楽しみですね!!!

それでは、また。

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